平成25年度 問題15 行政法 行政書士試験過去問解説

まずは、平成25年度の問題15(行政法)を解いてください。

問題15 行政不服審査に関する原則の説明として、誤っているものはどれか。

1 自由選択主義 ・・・ 不作為について、異議申立てと直近上級行政庁に対する審査請求のいずれをするかは、原則として、当事者の自由な選択に委ねられていること

2 処分権主義 ・・・ 私人からの不服申立てがなくとも、行政庁が職権で審理を開始することができること

3 審査請求中心主義 ・・・ 処分について、審査請求ができる場合には、法律に特別の定めがないかぎり、異議申立てを認めないとすること

4 一般概括主義 ・・・ 適用除外規定に該当する処分を除き、原則として全ての処分について異議申立て又は審査請求が可能なこと

5 書面審理主義 ・・・ 不服申立ての審理は、書面によることを原則としていること

 それでは、一撃の解説講義をご覧ください!

本問は、「行政不服審査に関する原則の説明として、誤っているものはどれか。」という問題です。

行政不服審査法における基本的な「原則」が並んでいます。
一つだけマイナーな「原則」が混じっており、
これをどう扱うべきか、迷ったかもしれません。

ただ、その原則の中身を見たら、
やっぱり気付いて欲しいです。

「そんな原則は無い!」と。

本問を正答するために必要な知識は・・・

ズバリ!
keri
私人からの不服申立てがないのに、
行政庁は、職権で審理を開始することはできない
ということです。

これだけで正解が出ます。

一つずつ原則(主義)を見ていきますが、
どれも確実に「○」「×」を判別したいですね。

肢1 正しい

1 自由選択主義 ・・・ 不作為について、異議申立てと直近上級行政庁に対する審査請求のいずれをするかは、原則として、当事者の自由な選択に委ねられていること

自由選択主義は、自由に選べるってことですね。

つまり、行政がやってくれない(不作為)の場合には、
行政が忘れてしまっていることが多いわけなので、
行政を突っついて、やらせればいいだけの話です。

そのため、

本人(不作為庁)に「早くして!」って言ってもいい(異議申立て)し、
上司(上級庁)に「早くして!」って言ってもいい(審査請求)んですね。

肢2 誤っている

2 処分権主義 ・・・ 私人からの不服申立てがなくとも、行政庁が職権で審理を開始することができること

処分権主義は、行政法ではマイナー過ぎます。
民事訴訟法での大テーマです。

民法の大原則「私的自治の原則」の訴訟バージョンで、

訴訟をするかどうか、
何を争うか、
訴訟をやめるかどうか、

ということを、自分で決める(処分する)ということです。

ただ、この知識は無くても結構です。

まずは、「処分権主義???」となりますが、
「私人からの不服申立てがなくとも、行政庁が職権で審理を開始することができること」
というのを見て、あり得ないですよね。

行政庁が職権で審理を開始することはできません。

仮に試験中に「そんなこと、できたかな?」と悩んでも、
少なくとも、私人の不服申立てが有って審理が開始するのが原則ですから、

「私人からの不服申立てがなくとも、行政庁が職権で審理を開始することができること」
という「原則」は、明らかにオカシイです。

問題文をしっかりと読みましょう。

問題15 行政不服審査に関する原則の説明として、誤っているものはどれか。

ですよ。

原則」を聞いていますからね。

そもそも、
「私人からの不服申立てがなくとも、行政庁が職権で審理を開始することができること」
というのは「原則」ではありません。

言葉の意味云々は、二の次です。
「処分権主義」なんていう言葉の意味を聞いているわけではないんです。

肢3 正しい

3 審査請求中心主義 ・・・ 処分について、審査請求ができる場合には、法律に特別の定めがないかぎり、異議申立てを認めないとすること

審査請求中心主義は、不服申立ては原則、審査請求で行うということです。

審査請求と異議申立ては、原則どちらかしかできません。

そして、上司がいる(上級行政庁が有る)のが普通ですから、
普通は審査請求を行うということです。

肢4 正しい

4 一般概括主義 ・・・ 適用除外規定に該当する処分を除き、原則として全ての処分について異議申立て又は審査請求が可能なこと

一般概括主義は、基本的に全部、ということです。

不服申立ての対象となるのは、基本的に全部です。
ただ、例外的に、これ、これ、は対象としません、
という規定の仕方になっています。

イメージ的には、

「私の好きな食べ物は全部ですが、『納豆』『レバー』『しいたけ』は苦手です」
という言い方が、
「好きな食べ物一般概括主義」で、

「私の好きな食べ物は、『ハンバーグ』『卵焼き』『カレー』です」
という言い方が、
「好きな食べ物列記主義」です。

肢5 正しい

5 書面審理主義 ・・・ 不服申立ての審理は、書面によることを原則としていること

書面審理主義は、不服申立てのチェックは、
口頭ではなく、書面を中心に行うということですね。

書面とは、

・不服申立書(審査請求書・異議申立書)
・弁明書
・反論書
・証拠書類・証拠物

等々のことです。

行政法の勉強では、場面に応じて、
「書面」か「口頭」か、を覚えることが重要ですね。

以上のとおり、明らかに肢2だけが誤っています。

 正解 

 

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